【サッカー】前十字靭帯損傷予防において5つの大切なコトとその理由
①:プレアップの徹底
チームで行うウォーミングアップの前に個人に当てられている時間を”プレアップ”と呼びます。
ピッチ上のウォーミングアップだけでは前十字靭帯損傷を予防するのは困難。このプレアップの時間を有効活用するコトが前十字靭帯損傷の予防に繋がると考えています。
プレアップの時間はチーム・個人によっては様々ですが、現場で働いている肌感覚としては約20分の時間をとるケースが多い印象。
トレーナーが個人に合ったプログラムを組み戦略的なコンディショニングの為に活用するチームがある一方で、完全に選手個人に任せているチームもあります。
プレアップの内容は、”傷害予防”や”個人のウィークポイント改善”に当てられるコトが殆どで、モビリティエクササイズやスタビリティエクササイズ、室内で行えるコーディネーションエクササイズが実施されます。
個人的には、”パフォーマンス・ピラミッド”の底辺部分を広げる為に確保するべき時間だと解釈しています。
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②:段階を追った確実なウォーミングアップ
ピッチに立ったら、ジョギング〜身体操作の確認・ダイナミックストレッチによる筋柔軟性の獲得〜各種スタップワークの確認〜ジャンプ動作・切り返し動作の確認〜アジリティの流れで身体を段階的に温めながら動作を確認する流れをオススメします。
経験のあるアスリートと働いていると、この時点で力が入りにくかったり・動きが悪かったり、不調を見つけた際の対処方法を知っているケースに遭遇します。
例えば…
○方向転換動作で臀部の筋肉の入りにくさを感じたら、このエクササイズを行うと安定する。
○ジャンプ着地時に足首のつまりを感じた時は、この筋肉を伸ばすと改善される。
といった具合。
プレアップやウォーミングアップの時間は、自分の身体と対話する時間。
身体の微妙な感覚の違い察知する感性を磨き、対処する術をいくつか持てる様にウォーミングアップの時間を通して経験を積みましょう。
そうするコトで、前十字靭帯損傷の予防率は上がると考えています。
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③:体脂肪率のコントロール
筋肉は動きを生みだす役割があると同時に、関節を守る役割もあります。
一方で体脂肪は、エネルギー源になる役割はありますが基本的には重りとして認識して間違いありません。
例えば、体重70kgで体脂肪率が10%のアスリートの場合。約7kgの重りを抱えて90分間走り切るコトになります。
体脂肪をコントロールするコトは、急激な方向転換やジャンプ着地、相手とのボディコンタクト時の関節にかかる負担を軽減するコトに繋がります。
前十字靭帯損傷は足が着地してから40ms〜80ms、1秒にも満たない時間で発生すると言われています。
体脂肪をコントロールして自重で身体がコントロールできなくなる時間を少なくするコトで、前十字靭帯損傷の発生率を下げられると考えています。
男性サッカー選手であれば、10%以下。女子サッカー選手であれば、ホルモンの乱れが起こらないレベルでコントロールするべきでしょう。
以前、体脂肪を効率的に落とす方法についてまとめました。体脂肪がなかなか減らなくて困っている方は参考にしてみて下さい。
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④:身体操作能力の向上
サッカーのパフォーマンスにおいて身体操作が効かなる瞬間が多ければ多いほど、前十字靭帯損傷も発生しやすいと考えています。
まずは、様々な視点からボディバランスを確認してみましょう。
特に、以下のケースに当てはまる場合は注意が必要。
○片足立ちの際に膝が左右にブレる。
○試合中にのけ反る姿勢が多い。
○方向転換やジャンプ着地時に転倒してしまうコトが度々ある。
もし改善点があれば、専門家に相談するのが一番。
具体的な質問ができれば、具体的な解決策が出てくるハズです。
傷害予防能力が高いと感じる選手は課題発見能力が高く、具体的な質問ができる言語化能力の高い選手だと思います。
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⑤:固有受容器に刺激を入れる
固有受容器のアクチベーションは、前十字靭帯損傷予防において最も重要な要素だと個人的には感じています。
固有受容器とは、関節周囲に散在するセンサーのコト。
関節の角度や方向・曲がり具合、伸び具合などを瞬時に察知する役割があります。
足首を捻った際に、瞬時に関節を元に戻して捻挫を回避できたという経験がある選手も多くいるのではないでしょうか。
固有受容器が働いている代表的なシーンと言えます。
先程も述べましたが、前十字靭帯損傷は足が着地してから1秒にも満たない瞬間に発生すると言われています。
接地時に固有受容器が効かせられるコトが予防では重要となるのです。
バランスパッドやBOSUを利用して、実際のサッカーのパフォーマンスよりもアンバランスの状況下でプレアップで刺激を入れるコトをオススメします。
毎回、固有受容器がアクチベーションされていれば、いざ危険なアクションに膝がさらされても咄嗟に捻挫を回避できる確率は上がるかもしれません。
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⑥:まとめ
以上、今回は”前十靭帯損傷予防において5つの大切なコトとその理由”でした。
この記事が多くのアスリートの目に留まり、前十字靭帯損傷で悩むアスリートが1人でも減ってくれれば幸いです。
それでは。