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サッカーの試合で多い選手は、10km以上を走るコトもしばしば。
しかも、一定のスピードで走るのではなく、切り返し動作/コンタクト/ジャンプ/着地/急激な方向転換/減速・加速。
ドリブル、シュートなど様々な強度の運動が入り混じった90分になります。
当然、試合後は頭も身体も疲労困憊。
この疲労を回復させ、次の試合で100%のパフォーマンスを発揮できるコンディションにする手法を『リカバリー』と呼びます。
リカバリーが上手くいかずに、疲労が蓄積し続けるとパフォーマンス低下に留まらず、肉離れや疲労骨折など長期離脱の原因となる可能性も…
試合後に蓄積した疲労をいち早くリカバリーして、次の試合の準備をするコトは、怪我の予防だけでなくシーズンを通して安定したパフォーマンスを発揮する上でとても大切。
プレーするカテゴリーが上がるにつれて、練習強度は引きあがり、試合数は増え、熾烈なポジションが争いが待ち構えています。
充実なリカバリーはポジション争いに勝ち、試合に出場し続けるコトに繋がります。
つまり、サッカー選手としての継続的な成長はリカバリーありきなのです。
というコトで…
今回は、サッカーの試合後の『リカバリー』について、ドイツでトレーナーとして働いている経験を元に、伝えたいと思います。
1️⃣:リカバリーの目的
リカバリーの目的は…
試合で傷ついた筋肉組織の修復に必要な新鮮な酸素と栄養素を血液に乗せて、いち早く身体の隅々まで継続的に循環させるコトが大切。
その為、試合後は固くなった筋肉をほぐし、筋肉の組織修復に重要なバランスの良い食事・質の高い睡眠をとり。試合翌日には、ジョギングなどの低強度の有酸素運動とモビリティ・スタビリティエクササイズを取り組みましょう。
この後に紹介する方法を自分の身体の声を聞き、反応を確かめながら丁寧に行うコトで、リカバリーの質が高まると考えています。
2️⃣:リカバリーの種類・方法
リカバリーには、”アクティブリカバリー”と”パッシブリカバリー”という2つの方法があります。
✅アクティブリカバリー
ジョギングやストレッチ、エアロバイク、モビリティエクササイズなどの運動を活用するリカバリー方法。
⏩FCバルセロナのアクティブリカバリーの様子
モビリティエクササイズや体幹・上半身のトレーニングを満遍なく入れているのが分かります。
リカバリーの目的は身体的な回復の意味合いに留まらず、準備の段階から気持ちが張り詰めた試合の後は、サッカーテニスなどのファンゲームを活用し精神的なリカバリーを重要視するコトもあります。
⏩Borussia Mönchengladbachのサッカーテニスの様子
レアルでは、アクアエクササイズや自転車エルゴメーターなどを活用しているのが分かります。
⏩Real Madridのアクティブリカバリーの様子はこちらから。
アクティブリカバリーで上半身の筋力トレーニングを取り入れる理由をまとめた記事は、以下のリンクから。
✅パッシブリカバリー
マッサージ・電気治療・サウナ・交代浴など、身体を動かさなくてもできるリカバリー方法。
⏩ドイツUー21代表のオイルマッサージを利用したパッシブリカバリーの様子
リカバリーの質は、このアクティブリカバリーとパッシブリカバリーの組み合わせで決まると言っても過言ではありません。
一流の選手達は、アクティブリカバリーとパッシブリカバリーの組み合わせを工夫・量を調整しながら、自分にとってベストなリカバリー方法を探しています。
もちろん、指導者やチームによってリカバリーの方針は様々。
試合翌日に低強度の下半身の筋トレを入れるチームもあれば、ジョギングとマッサージで済ませるチームもある位です。
基本的には、選手がチームのやり方に個人のやり方を合わせるコトになるでしょう。
チームや指導者が変わって、同時にチームのリカバリー方法も変わったが為にコンディションを落とした…
では、話になりません。
様々な手法を試してリカバリーの引き出しを多く持っておくコトが重要。
3️⃣:リカバリーのタイミング
試合に勝っても・負けても・引き分けても、次の試合は刻一刻と迫ってきます。
時間は止まってはくれません。
まず、リカバリーを始める上で大切なコトは頭の切り替え。
終わってしまった試合に感情を引きづられていてはダメ。
いち早く頭を切り替えて、次の試合でベストパフォーマンスを発揮する為にやるべきコトに取り組みましょう。
リカバリーを開始するタイミングは試合後のホイッスルから‼︎
では、リカバリーの意識はいつまで持つ必要があるのでしょうか?
ここで重要なのが、”超回復理論”
超回復理論とは…
試合で最大限のパフォーマンスを発揮して激しい筋肉痛に襲われている時、筋肉では微小断裂・炎症が起きています。この炎症を取り除き微小断裂を再生させる為には、48時間〜72時間必要と言われています。
回復した時には、次に同じ負荷が加わった際に断裂が起きない様に、強度が増して回復されるコトを超回復と呼びます。
私は、この超回復に必要な試合後48時間〜72時間までがリカバリーのベストタイミングと考えています。
試合翌日はリカバリープログラム、2日後にオフを設定するチームが多いのは、この様なスポーツ科学的な背景があるからなのです。
4️⃣:どの様な意識でリカバリーに取り組むべきか
リカバリーの方法には、上記に挙げた通り様々な方法があります。
経験を積み重ねる事によって…
『このやり方は自分に合うな。』
『このやり方は、合わない…』
『このやり方とこのやり方を組み合わせると、翌日の調子が良い。』
など身体の反応が感じられるはず。
大切なコトは、試行錯誤しながら自分に合った方法を見つけるコト。
様々な組み合わせを試して、自分の身体の声に耳を傾けるつもりで取り組みましょう。
試合で打撲や捻挫をした時、血流を上げるコトによって炎症が悪化する可能性があります。
この様な時はスポーツ整形で医師の診察をうけて、やっていいコト・やってはいけないコトを確認しましょう。
5️⃣:まとめ
一流のサッカー選手は、1週間に2試合のペースでリーグ戦やカップ戦・長距離移動を含むチャンピオンズリーグ・カップ戦・代表戦をシーズンを通してこなしています。
この様な環境だと戦術的なトレーニングの時間やフィジカル強化の為の時間を確保するのは難しく、よりリカバリーに時間を割かなければならない環境でプレーしています。
リカバリーの重要性はサッカー選手の過密日程が問題視されている現在、更に重要視されていると言っても過言ではありません。
この記事がリカバリーに悩んでいる選手の手助けになれば幸いです。
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