【海外サッカー】ドイツのサッカーチームでは、どんな走り込みをするの?

【海外サッカー】ドイツのサッカーチームでは、どんな走り込みをするの?

【海外サッカー】ドイツのサッカーチームでは、どんな走り込みをするの?



みなさんいつもブログを閲覧して頂きありがとうございます。 





先日、スペイン代表が行っている心肺機能強化と技術トレーニングを組み合わせた持久力強化トレーニングについてツイッターで発信させて頂いたところ、1000イイね・100リツイートを超える多くの反響を頂きました。









同時に日本に一時帰国した際は、『ドイツサッカーチームって、どんな走り込みをするの?と、お会いしたサッカー指導者から聞かれるコトが多くあります。





GPSが出現してから10年以上が経過し、ブラックスボックスに入っていたランニングパフォーマンスの評価が細部に渡って数値化され、今まで指導者が感覚や現役時代の経験で取り組んでいた走り込みをより効果的なモノにしたいという意識の変化がこれらのキッカケになっていると解釈しています。





日本のたくさんのサッカー指導者やフィジカルコーチが”海外走り込み”に関心があるコトが分かったので、今回はブンデスリーグ女子で働いている経験を踏まえて”【海外サッカー】ドイツのサッカーチームでは、どんな走り込みをするの?”テーマに沿ってまとめたい思います。






1️⃣:海外の”走り込み”事情


私が所属するチームでは、以下のタイミングでスポーツ科学に則った”走り込み”を実施しています。


✅週1回のスプリントトレーニング
 シーズンに入ると試合3日前に最大速度を上げる為のスプリントトレーニングを実施しています。

✅プレシーズン
 プレシーズンに最低1回/週の持久力強化プログラムを実施しています。

✅オフ期間
 オフ期間は、アスレティックトレーナーから基礎持久力強化を目的としたランニングメニューを提供します。

✅コンディショニングとして
 トレーニングにて目的とする負荷がかけられなかった際に実施しています。




私のチームだけでなく、おそらくドイツのどこのチームも似た様な方法で走り込みを取り入れているのではないでしょうか。


いくつか、ドイツで行われているスプリントトレーニングの様子を紹介します。


○FC Bayernのスプリントトレーニング。



※スプリント時に最大速度を出させる為に、レジスタンスバンドを活用しながらダイナミックなフォーム作りをしています。





○FC Schalkeのスプリントトレーニング。



※重りを利用したスプリントトレーニング。



2️⃣:日本の走り込みと海外の走り込みの違い


日本では精神や忍耐力、いわゆるメンタルを鍛える為に走り込みを利用しているサッカーチームも多くあると思います。


日本で『走り込み』と聞くと、少なからずメンタル強化というイメージが付き纏います。




私はドイツのいくつものサッカーチームのトレーニング見学をしてきましたが、ドイツでメンタルを鍛える為の走り込みは見たことがないのが現状。



この点、日本とドイツの走り込みに対する大きな意識の違いと言えます。




以前、他カテゴリーの指導者とこんなやりとりがありました。




私 ”日本は、走り込みのトレーニングを行う傾向が強いけど、ドイツも定期的に取り入れるんですか?”




指導者 ”何を目的としてだい?”





私 ”持久力やメンタルを鍛えたりとか…”





指導者 ”えっ。メンタルって…日本ってまだそんなコトしているの?”





驚かれ、少し恥ずかしい気持ちになりました。




ドイツでのサッカーチームではメンタル強化を目的とした走り込みは一般的ではなく、多くの場合アスレティックトレーナーがスポーツ科学に則って行います。





3️⃣:なぜ、ドイツにはメンタル強化を目的とした走り込みがないのか

ドイツにメンタル強化を目的とした走り込みがない理由には、社会のあり方・国民性が大きく関わっていると解釈しています。



日本社会では”我慢強さ”や”根性論”などが美化される側面があり、”ブラック企業”や”過労死″という言葉がある位です。



ちなみに過労死は海外でもKAROSHI。



その様な社会的な影響もあり日本にはメンタル強化を目的とした走り込みが未だにあるのではないでしょうか。



ドイツ人は日本人と同様にヨーロッパの中では比較的、我慢強くマジメな人種とされています。



日本人とドイツ人は似ている部分はありますが…決定的に違うのは、ドイツ人は徹底的な合理的思考をする国民性だというコト。



合理的な思考をするドイツの国民性だからこそ、スポーツ科学に基づいたエビデンスのある走り込みを組み立てるという側面もあるのかもしれません。



ランニングパフォーマンスの分析や走り込みメニュー作成の際に必要なエネルギー供給機構についてまとめました。参考にしていただければ幸いです。

⏩⏩【関連記事】【サッカー】効果的な持久力強化に必要な走り込みの知識『エネルギー供給機構』について。

 

 

4️⃣:GPSによって走り込みが変化した

 



ここ10年位でしょうか、サッカーチームで定着したGPSのデータ収集によりGPSに関わる様々な研究が進み、トレーニング方法が見直され始めています。



特に試合中のスプリント回数•最高速度を強化する為に、スプリントトレーニングをどのタイミングでどの位の量をどんな方法で取り入れるかの議論はよくされ、スプリントトレーニングなどの重要性が見直され始めています。




実際、ブンデスリーグ男子のトップチームでは、どのチームもGPSデータ解析・スプリントの最大速度/回数強化の為の専門家を雇っているチームも多いです。



 

5️⃣:まとめ



今回は、『ドイツサッカーチームでは、走り込みはしますか?という疑問に対して答えました。




この記事に関しては、決してメンタル強化を目的とした走り込みを否定したものではありませんし、肯定したモノでもありません。



日本とドイツのどちらが良いというのではなく、現地で働いている現状を伝える為に書きました。



ドイツ
の現場はこの様な現状ですが、国民性も体格も異なるラテン系のスペイン。



ドイツと同じゲルマン系民族のオランダ、ダイナミックなサッカーが特徴のイギリスあたりもどの様な取り組みをしているか興味深いです。



それでは。

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