【サッカー】効果的なラダートレーニングを行う為に伝えたいコト
みなさん、いつもブログを閲覧して頂きありがとうございます。
コーディネーショントレーニングの代表格といえば、”ラダートレーニング”。
最近では育成年代のサッカーチームだけでなく、多くのスポーツ現場で目にするコトがあります。
ラダートレーニングは賢く取り入れれば、効果的なコーディネーショントレーニングになりますが、現場で働く多くの指導者が疑問を持ちながら取り組んでいるのも事実。
○どの位の頻度で取り組めば良いのだろうか…
○種目をどの様に発展させれば良いのだろうか…
○どんな種目を取り入れたら良いのだろうか…
ラダートレーニングは、この様な問題を抱えながら指導していると…
”効果のないやっているだけのトレーニング”
になりがち…
プロチームでさえ、効果的なラダートレーニングを取り入れているチームは少ない印象。
個人的な意見としては、ラダートレーニングは、効果的だけど扱いが難しいトレーニングだと解釈しています。
今回は、そんなラダートレーニングについてドイツでトレーナーとして働いている経験とドイツサッカー連盟(DFB)が推奨するラダートレーニングの例を紹介しながら発信したいと思います。
1️⃣:ラダートレーニングの目的
ラダートレーニングは、”神経系の強化”を目的としたコーディネーショントレーニング。
ラダーは、英語でハシゴの意味。
ハシゴの形をした道具を利用して、決められたステップワークを反復的に練習するコトで神経系を活性化。競技中の足運びをスムーズにする目的があります。
初めて取り組む種目は…
『これであってるのかな?』
『どうだったかな…』
と足元を見ながら、考えながら取り組むコトになると思います。
が、反復するコトによってスムーズにラダートレーニングをこなせる様になります。
✅頭で考えずにスムーズにこなせる様になってきたら、神経系が強化されている証拠。
徐々にスピードを上げながら、顔を上げて難易度を上げましょう。
2️⃣:育成年代とラダートレーニング
ゴールデンエイジは、一般的に9歳から12歳までの選手を指します。
ゴールデンエイジは、神経系の発育発達が著しい年代。
この年代に神経系を強化するトレーニングを行うと、その後の技術習得のスピードに大きな差が生まれると言われています。
育成年代(ゴールデンエイジ)の選手には、ラダートレーニングがおすすめ。
だからといって、育成年代以降の選手は、やっても効果がないという訳ではありません。
大人になってからでも、定期的に取り組むコトで神経系のパフォーマンスは確実に成長させるコトが可能です。
私が指導しているチームの平均年齢は22歳の女子プロチームですが、定期的に取り組んでいて成長を感じます。
⏩⏩私のチームでのラダートレーニング実施時の様子
3️⃣:メリット
ラダートレーニングによって、適切なステップワークを適切なタイミングで踏める様になると、以下の効果が期待できます。
✅競技中の動きがスムーズになる。
4️⃣:注意点
冒頭にも書きましたが、ラダーは、”効果のない、やっているだけ”になりがちなトレーニング。
以下の点を注意して、取り組むと効果的だと思います。
○どれ位の頻度が良いのか??
ラダートレーニングによって活性化された神経系は、48hから72h程度、継続すると言われています。
このコトから、週に2回行えればベスト。週に1回でも、継続して行えば効果が得られます。神経系の発達が著しい育成年代であれば、バリエーションを増やして毎日、取り組むのもあり。
私のチームでは、ウォーミングアップとして週1回は取り組んでいます。
○どの位の長さのラダーを利用すれば良いのか??
私のチームで、育成年代のアスレティックトレーナーが20マスのラダーを使って、子供達に指導をしていました。
これに意味があれば、やる価値はあると思いますが…
ラダートレーニングの目的は、神経系の強化。筋肉は、なるべくフレッシュなコンディションにしておいて、素早い動作で取り組むのがベストでしょう。
距離が長いと同じ動作をずっと繰り返さなければならなくなるので筋肉に疲労が蓄積し動きが鈍り、神経系のトレーニングには適さなくなってしまいます。業界では有名ですが、”タニラダー”と呼ばれるスピードアップに特化したラダーがありまます。
ちなみに、タニラダーの長さは、4マス。私は、基本的に7マス、種目によっては、3〜5マスを使用しています。
○選手の習得度によって種目を発展させる。
ドイツでトレーニング見学をしていると、ラダートレーニングで、選手の足さばきは申し分ないのに、実際の競技でのステップワークがぎこちない。
という場面を非常によく見かけます。
導入でも書きましたが、”ただやっているだけのラダートレーニング”になってしまっているのです。
ラダートレーニングにおいて、足さばきが上手くなってからの種目の発展のさせ方が、選手のポテンシャルを引き出すためには重要。一度、習得した種目をいつまでも継続して行っていても、パフォーマンスは向上しません。習得した種目を後ろ向きで行ったり、他の種目と組み合わせたりして、神経系に加わる負荷を引き上げるコトが大切なのです。
5️⃣:ドイツサッカー連盟が推奨するラダートレーニングを紹介
ドイツサッカー連盟(DFB)には、『DFBアカデミー』と呼ばれる学術研究と指導現場を結びつける研究機関があります。DFBアカデミーが、育成年代選手に推奨しているラダートレーニングを10種目紹介します。動画編集の都合で、私の判断で初級、中級、上級の3グループにカテゴライズさせて頂きました。
【初級】
【サッカー/ラダートレーニング①】
ドイツサッカー連盟(DFB)の学術研究と現場を結びつけるプロジェクト、DFBアカデミーが発信しているラダートレーニング。 pic.twitter.com/duKicDdXLP
— Yuki Shigemu (@YShigemu) March 9, 2022
【中級】
【サッカー/ラダートレーニング②】
ドイツサッカー連盟(DFB)の学術研究と現場を結びつけるプロジェクト、DFBアカデミーが発信しているラダートレーニング。 pic.twitter.com/efYUHYbWAG
— Yuki Shigemu (@YShigemu) March 9, 2022
【上級】
【サッカー/ラダートレーニング③】
ドイツサッカー連盟(DFB)の学術研究と現場を結びつけるプロジェクト、DFBアカデミーが発信しているラダートレーニング。 pic.twitter.com/7sxkbFumNz
— Yuki Shigemu (@YShigemu) March 9, 2022
元ネタは以下から。
⏩⏩ドイツサッカー連盟(DFB)アカデミーが発信しているラダートレーニング。
DFBアカデミーが推奨するトレーニング条件は以下の通り。
2日/週の頻度で、それぞれの種目を1〜2回の反復。種目間は45秒の休憩を取るコト。早さを求める前にまず、質を優先的に高める。
ラダートレーニングの良さは分かったどの様な種目を取り入れて良いか分からないという方は、これらの種目を取り入れてみるコトから始めてみるのも良いかもしれません。
まとめ
以上、”ラダートレーニングの導入の際に伝えたいコト”を発信させて頂きました。
この記事によって効果的なラダートレーニングを指導できる指導者が増えて頂ければ嬉しい限りです。
それでは。