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”前十字靭帯損傷”
女子サッカーの現場で働いたコトのある方は、必ず聞いたコトがある言葉だと思います。
前十字靭帯は、膝の安定性にとても重要な靭帯。
ビジュアル的には、この様な形をしています。
この前十字靭帯を断裂してしまうと手術は避けては通れません。
そして、その後は半年以上もリハビリに費やさなければならなく、トップコンディションに再度持っていく為には年単位の時間が必要となり、非常に厄介なケガとされています。
こちらの動画では、ピッチに戻るまでに251日かかっています。
⏩⏩プロサッカー選手の前十字靭帯損傷から復帰までのドキュメンタリーになります。
多くのサッカー選手を悩ます”前十字靭帯損傷”。
実は、様々な理由から女子選手に好発すると言われています。
実際、私が女子ブンデスリーグで働き始めたこの5シーズン、多くの選手がこの前十字靭帯損傷に悩まされる姿を目の当たりにしてきました。
過去にドイツ代表や国際大会で最優秀選手賞を受賞し将来を約束された選手達が、前十字靭帯損傷を繰り返し引退まで追い込まれる姿はサポートしている立場からしても悲しい限りです。
2度目の前十字靭帯損傷も珍しいモノではありません。
中には、3度目の断裂を経験している選手もいますし、前十字靭帯なしでプレーをしている選手もいる程。
今回は、多くのサッカー選手を悩ませる前十字靭帯について、ドイツブンデスリーグ女子で働く経験を踏まえてまとめたいと思います。
医学的な知識がない選手やサッカー指導者の方でも、分かる様に以下の流れでまとめました。
①:前十字靭帯とは?
前十字靭帯は、膝関節の主要な靭帯の1つ。
その他の主要な靭帯、後十字靭帯、内側側副靭帯、外惻側副靭帯とともに膝を安定させる靭帯になります。
その中でも、前十字靭帯は膝の安定性の80%に関与しており、スポーツ活動のみならず、階段の上り下りなど日常生活動作でも膝を安定させる重要な靭帯と言われています。
具体的には、膝関節の後面から前面、外側から内側へ向かって走っています。
②:なぜ切れるのか?
前十字靭帯は日常生活で断裂するコトはなく、その殆どがスポーツ活動時に発生していると報告されています。
スポーツ活動時の断裂としては、方向転換・ジャンプ着地の断裂が殆ど。
具体的な傷害発生動作としては、膝が内側方向に爪先が外側方向に向いて捻る、Knie In – Toe Outと呼ばれる動作時や膝が伸び切ってしまった際に発生します。
非接触時、つまり多くの場合は自分の身体をコントロールできずに発生するケガとされています。
③:症状
症状としては、痛み・膝の腫れ・不安定感・断裂音などの症状を感じるコトができます。
今までのトレーナー経験上、痛みが引いて歩行で帰れたにも関わらず、後日『前十字靭帯断裂』と診断された例も複数あるので、捻ったという事実と上記の様な症状が当てはまれば、スポーツ整形受診をお勧めします。
④:予防方法
ウォーミングアップの徹底や運動負荷のコントロール。体幹・臀部・ハムストリングスの予防エクササイズの徹底を行うコト。
トレーニング・睡眠・食事のバランスを整え常に良いコンディションでトレーニングに臨む準備をするなどが大切でしょう。
環境面でもスパイクの内側すり減ったスパイクを履いていると、先ほど説明したKnie In – Toe Out動作を強制してしまう原因にもなってしまいます。
日々のコンディションを整える努力と前十字靭帯損傷予防プログラムの両方から予防をしたら効果的だと思います。
⑤:まとめ
今回は、スポーツ選手の競技人生を左右する前十字靭帯損傷についてまとめました。
医学的な知識のない、選手や指導者の方が理解し易い様にまとめたつもりです。
多くの選手・指導者の方が、前十字靭帯損傷に対しての理解を深めて頂ければ嬉しいです。
それでは。
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