【動きづくり】体幹トレーニングで鍛える‼︎インナー・ユニットとは?
”体幹トレーニング”
と聞くと、以下の様な種目を想像する方が殆どではないでしょうか?
上記の種目は体幹に安定性をもたらすというコトで”体幹スタビリティトレーニング”と呼ばれます。
体幹スタビリティトレーニングが爆発的に世間知れ渡ったのは、日本代表選手が取り組みパフォーマンスアップに成功したコトがきっかけ。
このトレーニングの存在はスポーツ界に留まらずダイエット・健康分野界にも啓蒙されました。
しかしその反面、言葉が一人歩きしてしまい『なぜ体幹トレーニングをしなければならないのか。』を理解しないで取り組んでいる選手や指導者も多くいる印象です。
実は、体幹トレーニングには様々な種類のトレーニングが存在します。
メディシンボールを使ってパワーを鍛えたり。
マシーンを使って動きの中で体幹を鍛えたり。
まずは体幹トレーニングを行う目的を理解する為に、身体の特徴を理解しましょう。
体幹は、大きく分けて胸部・腹部・骨盤部の3部位に分けられます。
胸部は後方を胸椎・肩甲骨、前方を胸骨、側面は肋骨で覆われ、呼吸循環器系の中心部の心臓・肺を守る為に多くの骨に囲まれた頑丈な作りになっています。
骨盤部も胸部と同様に腸や膀胱を支える為に頑丈な作りになっています。
腹部は後方こそ腰椎という骨組織によって安定性をもたらされていますが、それ以外は筋肉に囲まれ胸部・骨盤部と比較すると柔らかい構造になっています。
頑丈な胸部と骨盤部に挟まれる様な形で腹部が存在し、このメリハリのある構造によって日常生活における大部分の”体幹を捻る動き”が可能になっているのです。
しかし、サッカーのパフォーマンスは幅広くインテンシティの高い動きが多いコトから、しなやかに体幹を使わなければならない反面、瞬間的に筋肉を収縮させて安定性が要求される場面も多く存在します。
この固める能力のコトを『スタビリティ機能』と呼びます。
このスタビリティ機能が不十分だと…
方向転換・ジャンプ着地・ボディコンタクト時に、パフォーマンスの流動性が失われるだけでなく腹部で唯一の安定性をもたらしている腰椎に過剰なストレスが加わるコトになり、腰椎分離症や腰椎椎間板へルニアなどの重大な疾患を引き起こすきっかけになってしまいます。
腹部の中でも重要な部位が、今回のテーマ『インナーユニット』。
①:インナユニットの役割
インナーユニットは体幹の深部に位置して、日本語では”腹腔”と呼ばれます。
後方を『多裂筋』・下方を『骨盤底筋』・上方を『横隔膜』、ベルトの様にぐるっと胴回りを一周する様に『腹横筋』に囲まれた、インナー・マッスルで構成された体幹深部の空間のコトを指します。
サッカーの爆発的なアクションやボディコンタクト時は、瞬時に『横隔膜』『骨盤底筋』『腹横筋』『多裂筋』が他の筋肉よりも真っ先に同時収縮し、このインナー・ユニットの面積を減少させ上下左右各方向から圧を加え腰椎を安定させる役割があるのです。
これが俗に言われる『腹圧』。
その後に外腹斜筋・内腹斜筋・腹直筋などのアウター・マッスルが収縮し動きにパワーや躍動感を与えることになります。
サッカーの爆発的なアクションにおいて、まず初めに働かなければならないのがこのインナー・ユニットに関わる筋肉というコトになります。
実際に起きているプレーとインナーユニットの収縮との間にタイムラグがあってもいけませんし、そもそも収縮できる様にコンディションを整えておかなければなりません。
インナーユニットのコンディションが悪いと…
例えば、ボディコンタクト時に瞬時にインナーユニットの収縮が起こらず腹圧が低いと、重心は大きく軸から逸脱し腹部の唯一の安定性をもたらしている腰椎に過剰なストレスが加わると同時に次のプレーへの移行がそれだけ遅くなるというコトに繋がるのです。
方向転換時やジャンプ着地も同様のコトが言えます。
②:腹横筋
ベルトの様にぐるっと胴回りを一周する様に走行している『腹横筋』。
腹式呼吸で息を吐く時に最も使われる筋肉で、腹圧をかけてお腹を凹ます筋肉になります。
③:多裂筋
インナー・ユニットの後方担当は多裂筋。
多裂筋は腰椎を安定させる役割を持っています。
④:骨盤底筋
インナー・ユニットの下方担当は多裂筋。
骨盤底筋は、インナー・ユニット
⑤:横隔膜
インナー・ユニットの下方担当は横隔膜。
横隔膜が収縮して息を吐くことによって下方に沈み、インナーユニットに圧を加えるのが役割。
⑥:まとめ
現代はスマートフォンの使用による猫姿勢が増加するなど生活様式の変化により、インナー・ユニットが働きづらくなっているのが現状。
アクション間の切り替えのスピードやボディコンタクト時の安定性に課題を感じる選手は、先ずは、インナーユニットに刺激を入れる為の体幹スタビリティトレーニングを取り入れてみてはいかがでしょうか?
この記事が多くの指導者・アスリートに役立てて頂ければ幸いです。
それでは。