Vol.157 ドイツのAusbildung

Vol.157 ドイツのAusbildung

ドイツのAusbildung

 

 

みなさんいつもブログを閲覧して頂きありがとうございます。

 

ドイツの女子サッカーを取り巻く環境は、ブンデスリーグ1部のチームですら、決して、待遇が良いとは言えないでしょう。

 

女子サッカー選手だけでは、生活ができない為、サッカーをしながら仕事をしている選手もいるのが現実。

 

更に、ケガの多いスポーツなので、いつ引退の決断を迫られる状況になるかは分かりません。

 

こういった背景から、ブンデスリーグに所属する多くの女子サッカー選手は、引退した後のコトを考え、サッカー選手として働きながら大学やドイツの職業訓練システムのAusbildungを受けています。

 

今回は、ドイツの職業訓練システムAusbildungについて、ドイツの女子サッカーチームで働く私の経験を踏まえて書きたいと思います。
 
 
 

 

ドイツで専門職に就く為には…

 

その職種に関わる大学の学部を卒業する

私のチームには、フライブルク大学で勉強をしている選手が多数在籍し、彼女たちは、心理カウンセラーやアスレティックトレーナー、裁判官や弁護士を目指しています。

彼女たちの多くは、大学を卒業した後、プロのサッカー選手としてプレーを続け、引退後には違う職に就く人生プランを立てているようです。

日本人がドイツの大学に入学する為には、ドイツ語能力の証明や必要書類の提出が必要です。また、日本の最終学歴によって、入学条件や入学できる学科が異なるので、ドイツへの留学を考えている方は、事前に確認しておいた方が良いと思います。

 

現地のAusbildung(職業訓練制度)を利用する

Ausbildungとは、ドイツの職業訓練制度。

私のチームには、警察やアスレティックトレーナーになりたい選手がAusbildungをしています。

理学療法士、幼稚園の先生、パン屋、ケーキ屋などの専門職を目指して、Ausbildungをしている日本人の知り合いもいます。

実際、警察官のAusbildungを終え、警察官とサッカー選手を両立している選手もいます。

日本人がAusbildungをする際は、ドイツ語能力の証明が必要。

 

Ausbildungとは?

 

 

デュアルシステム(二元システム)

Ausbildungを行う職業訓練生は、週に数日間、実地訓練に必要な知識を職業訓練校で学ばなければなりません。

残りの日は、契約している企業で働き、現場で必要な実務を学びます。

ドイツで、Ausbildungというと、大抵は、この働きながら学ぶ、デュアルシステム(二元システム)の事を指します。

まず、職業訓練生は、雇用契約を結んでくれる企業を自分で探さなければならないのですが、周りの知り合いを見ていると、日本人にとって、まずこの企業探しのハードルが高い印象です。

 

Ausbildungの期間

どこでどの職種のAusbildungをするかによりますが、通常2年半〜3年の期間が必要とされています。

現地に来て、ドイツ語を身につけるコトから始めると…

全てうまくいったとして、約4年間は、資格取得までに、必要だと考えていた方が良いと思います。

 

働きながら給料が貰える

Ausbildungの期間は、学費は基本的に企業側が持つシステムとなっており、月€350〜750の給料が支払われます。

私立の専門校に入学すると、学費は、自己負担になるので注意。

 

メリット&デメリット

 

Ausbildungを行う際のメリット&デメリットを考えてみました。


✅メリット

①:最低限の給料を貰いながら知識・経験を身につけられる。
②:同じ志を持つ仲間と学べる。
③:卒業後は、手に職をつけた状態で即戦力として働ける。

 

❌デメリット

①:資格取得までにかかる時間が長い。
②:職業訓練期間、安い給料で働き続けなければならない。

まとめ


ドイツで働く為にAusbildungをして、資格と手に職をつけてしまう方法は、有効だと思います…


その一方で、多少なりとも給料は貰えるとはいえ、生活はギリギリ。赤字になるパターンもあると思います。


職業訓練期間の3年間をその状態で過ごすのは、覚悟と根気、が必要だと言えるでしょう。


この記事が、今後ドイツでAusbildungを考えている方の役に立てば幸いです。



それでは。



Yuki




1件のコメント

  1. ピンバック: Vol.161 ドイツのWeiterbildungとは? – Life in Germany

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